Microsoft Azureの強みが分からん、みたいな話をしばしば見かけるので、普段仕事ではAWSにロックインされているAzureにわかとしての認識をまとめておく。
まず、Azureはクラウドサービス単体で評価するものではない。自分はまあまあAzure推しだけれと、.NETと最適化されたIDEを採用しないならAzureではなく他のクラウドプロバイダを選択する。AzureはMicrosoftが抱える巨大なエコシステムの一部であり、単体では真価を発揮しない。
Azure ADでIDを管理し、Visual StudioでC#のアプリケーションを開発して、Azureで運用する。全てをMicrosoftにロックインされることで最大の効果を獲得できる。
ITサービスを開発運用するに当って必要な要素について、それぞれ最適ではなくとも、無難な選択肢になるものを広範囲に備えている。
- OSへのログインとも統合できるID
- .NETとそれを開発できるC#,F#
- フルスタックのWebアプリケーションフレームワークASP.NET
- 強力なORMのEntity Framework
- これらの開発をフルサポートするVisual Studio
- 開発物を管理、CI/CDを提供するGitHub
- そして開発物を運用するAzure
Microsoftに強いITベンターはこれらの構成を前提に効率よく開発運用するノウハウを持っている。スキルセットが散らない利点がある。
また、安定した長期サポートを見込める点も大きい。特定のサービスを終了する際には年単位で猶予期間があり、しつこく何年何月には終了しますと案内がある。唐突にサービスを終了したり売ったりしない。
Windows Serverを10年サポートします。安心してください。のような時代は終わりを告げて、継続的なアップデートを求められるようにはなっているが、どのようにアップデートしていけばよいのかのサポートは手厚い。
アプリケーション面でも主流となるGUI開発フレームワークは基本的にはVisual Basicの延長線上にあり、時代に応じて進化している。途中で途切れてしまったものもあるが、Windows Forms,ASP.NET Web Forms,Blazorの流れに乗っていればいいだろう。
フレームワークの切り替えにはそれなりの労力が伴うが……
とは言え、1,2年で大きく潮目が変わるWebフロントエンドに追随していくよりは見積もりが立てやすいだろう。
ロックインされることで高い効率で開発運用を行え、他と比べて責任を負ってくれる範囲が広い。
Microsoftと数十年付き合ってきたところは特に縁切りする理由はないし、これからロックインされて安定した開発運用する選択もあるのだからそりゃ強いだろうと思う次第。
そんなわけで、Microsoftにロックインされるつもりのない人にはさほど魅力や強みがあるようには見えないのだろう。
きっかけになったつぶやき。
AzureというかMicrosoftの技術スタックの魅力は、インフラからアプリケーションまで一気通貫でフォローされている点だと思っている。他のクラウドプロバイダにはない特性。
— 光電/7474 (@koudenpa) August 31, 2024
C#,ASPNET,Entity Framework,App Service,SQL Database,Application Insights,GitHubこの辺が軸になる。 https://t.co/GlyOn0bNLa