koudenpaのブログ

趣味のブログです。株式会社はてなでWebアプリケーションエンジニアをやっています。職業柄IT関連の記事が多いと思います。

サービスレベルについて思ったこと

ConoHaのオブジェクトストレージの特定のオブジェクト(https://object-storage.tyo1.conoha.io/v1/~~)へのHTTPSアクセスをMackerelでURL外形監視してます。

以下の表は去年12月から明けて正月明けの期間のアラートの発生と解消時刻、発生から解消までの秒数をまとめたものです。

アラート内容は全てタイムアウトです。

CreatedDateTime ClosedDateTime OpenSec
2018/1/9 18:13 2018/1/9 19:35 4907
2018/1/8 20:30 2018/1/8 20:48 1068
2018/1/8 20:05 2018/1/8 20:27 1314
2018/1/2 20:50 2018/1/2 21:19 1724
2018/1/2 20:37 2018/1/2 20:47 585
2018/1/2 20:06 2018/1/2 20:34 1673
2017/12/28 20:58 2017/12/28 21:26 1662
2017/12/25 20:38 2017/12/25 20:43 289
2017/12/19 20:08 2017/12/19 20:13 285
2017/12/12 20:04 2017/12/12 20:05 52
2017/12/8 14:33 2017/12/8 14:35 107
2017/12/7 21:58 2017/12/7 22:01 176
2017/12/6 20:03 2017/12/6 20:04 49
2017/12/5 20:03 2017/12/5 20:04 58
2017/12/4 17:33 2017/12/4 17:36 167
2017/12/3 20:03 2017/12/3 20:04 47
2017/12/1 20:04 2017/12/1 20:05 52

この状況について問い合わせたところ、ネットワークは共有なので利用状況に応じてこうしたネットワーク遅延は発生するとのことでした。

これをどう感じるかは人それぞれかと思いますが、自分は今後新規にConoHaのオブジェクトストレージを使用することはないでしょう。

VPSと違ってパブリッククラウドの同種のサービスと比べてコストメリットもほとんどありません。

何を思ったのか? 状況について

基幹サービスではない弱みが出ているな、と感じました。

ConoHaのオブジェクトストレージはOpenStackのSwiftで3箇所以上にオブジェクトを冗長化して保存しているとのことです。

オブジェクトの堅牢性は相当なものでしょう。

しかし、そのオブジェクトにアクセスするためのネットワークはそれほど広い帯域を持っているわけではないようです。

ConoHaのオブジェクトストレージはSLAを提示していませんが、例えば最大手の同種のサービスであるS3では、堅牢性のSLAはイレブンナインで、可用性のSLAは99.9%です。

この手のSLAは満たされなくてもサービスの提供価格の一部が返却されるだけで、受けるだろう影響と比較したらないも同然の保障なので、実態としてどの程度のサービスレベルなのか? だけが重要であるととらえています。

と考えると、少々頼りないサービスレベルであると思います。S3で同等の状況があったとしたら、それなりのニュースになっていたはずです。

とはいえ、ConoHaのオブジェクトストレージはありていに言ってしまえばVPSのオマケです、おそらくハードウェアはそれほど潤沢ではないでしょうし、運用担当の人数も少ないでしょう。

基幹サービスとはサービスレベルが違っていても仕方ないと思います。

何を思ったのか? 昔と今と趣味と商売について

自分は草の根サービスが結構好きで、さすがにパソコン通信の時代は体験していないですが、個人の自宅サーバ上のホームページにアクセスしたり、どう考えても個人が運営しているレンタルサーバを借りてWebサイトをホスティングしていたこともあります。

そうした趣味であれば正直サービスレベルなんて「そのうち復旧すればいい」だと考えています。

これに対して、商売としてサービスを提供する場合は「1度エラーしても数秒おいて再アクセスしたら正常」を当たり前に実現しないとならない時代でしょう。

そう考えると、商売のサービスは「実態として高いサービスレベルが提供されているサービスプロバイダー」を使うしかないよなぁ。しみじみと感じました。

そして、高いサービスレベルが提供されるのは、そのサービスプロバイダーの基幹サービスであることは、投資されているリソースの差から自明です。

ニッチで趣味的なサービスは嫌いではないのですが、それを使えるのはあくまで趣味の範囲だと思ったのでした。